市民開発者が成功するための
安全で管理された環境の提供
Blue PrismのRobotic Operating Model (ROM)は、Blue Prismの顧客が10年以上にわたり積極的に活用しており、組織内の個人(市民開発者)が新しい自動化を作成できるように、権限を付与し、教育することなどを規定しています。ROMで市民開発を成功させるために必要な4つの基本的な柱があり、前回のブログでは最初の2つの柱を採り上げました。本ブログでは残る2つの柱について紹介します。
市民主導型開発モデルの確立

セキュリティとコンプライアンス
Blue Prismは、通常業務のプロセスに適用されるため、自動化の設計活動を適切に保護する能力が非常に重要視されます。
市民主導型開発モデルで、適切なセキュリティとコンプライアンスを確立するために、CoEによって行われるいくつかの重要な活動があります。
- 開発環境、テスト環境、本番環境にまたがるユーザーのアクセス権と権限の定義
- マルチチーム環境の導入
- デジタルワーカーとユーザー認証情報の作成
- 市民開発者とデジタルワーカーの対象アプリケーションへのアクセス確保
市民開発者をまとめて、または業務部門単位でBlue Prismのロールベースのアクセスコントロールを適用できます。組織は既存のロールベースのアクセスコントロールを拡張することによって、Blue Prismのセキュリティ構成を要素単位できめ細かく設定できます。ビジネスオブジェクトやランタイムリソースなどのBlue Prismアセットの種類や階層に基づいて権限を割り当てることができるため、アセットを複数のチームと共有しやすくなります。
ガバナンスフレームワーク
市民主導型の開発プログラムを成功させるためには、ROMでも広く採り上げられるガバナンスが重要です。CoEは、戦略、ガバナンス、サービス、デリバリーモデルを定義し、成功のためのツールを提供するという重要な役割を担っています。また、CoEは継続的に、スキル向上とベストプラクティス更新を支援します。これにより、市民開発者は、CoEのガイダンスやガバナンス規定に沿ってプロセスを特定・評価し、ベストプラクティスや標準に従った自動化を実現することができます。
ガバナンスフレームワークには、以下の要素を含めなければなりません。
自動化の方法論とツールキット
- 市民開発者が利用できるトレーニング付きの明確なソフトウェア開発ライフサイクル
- ツール/テンプレートの成果物
- 特定と定義、開発、テスト、展開の各段階でのゲートレビュー
- 展開とガバナンス/適用手順の整備
設計権限と品質管理
- すべてのソリューションが開発標準とメソッド、共有されたオブジェクトを利用して構築されていることを担保する開発
- プロジェクトが順調に進んでいることを確認するための、CoEによる定期的なチェックポイント
- 技術的な卓越性や専門知識を得るためのCoEへのアクセス
- 市民開発者のスキル向上を支援するための知見や方法論などのコミュニティの共有
ケアと還元
- 組織内の自動化目標を基盤に、業務とシステムの変更を容易にする明確な変更管理のアプローチ
- 自動化プラットフォームと品質の整合性を維持するための、本稼働環境でのデジタルワーカーに関する定期的なパフォーマンスチェックとフィードバック
- 市民開発者とCoEが定期的な打合せの時間を設け、問題を議論し、解決を模索する作業グループ
場合によっては、市民開発者による自動化が、何百人、何千人もの従業員にとって有用であり、組織内全体のソリューション候補になることもあります。しかし、市民開発者が個人的に作った自動化を何千人もの従業員に向けて勝手に配布することにはリスクが伴うため、広く配布する前にCoEがレビュー/精査/テストすることが重要です。また、CoEの開発者は、適切な例外処理など、ベストプラクティスが守られていることの確認が必要です。
※当ブログは、”Embracing the Citizen Developer in the Intelligent Automation Era – Part III”(英語)を翻訳し、日本市場向けに加筆・改編したものです。