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ブログ | 2021年02月25日

RPAジャーニーを開始する際に最初に選ぶプロセスの見分け方

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「千里の道も一歩から」
-中国のことわざ

一歩踏み出すといっても、最初の一歩を泥沼に踏み出したくはありません。自動化のジャーニーに踏み出す多くの企業も同様に感じています。

RPA(ロボティックプロセスオートメーション)は、企業の運営管理においてゲームチェンジャーとなる可能性がありますが、どこから始めたらいいでしょうか? 

重要な最初の一歩をどこに踏み出したら良いか、どうすれば泥沼にはまらずに済むかを考えてみましょう。

実態調査

RPAの導入については、多くの宣伝文句があります。アナリスト企業のガートナー社は、RPAのマーケットは世界で210億ドル規模であると見積もっており、新型コロナウイルスのパンデミックによってさらに注目を集めていると説明しています。

企業は、日常的な業務プロセスについては人の作業への依存度を減らし、従業員が顧客エクスペリエンスの向上に集中できるようにすることを目指しています。

理想的な目標ですが、何から始めればいいのでしょうか?

まずは一般的な企業環境の実態を調べます。会社のほとんどは経験豊富な人々によって運営されており、定義されたプロセスはほとんどありません。中小企業の多くでプロセスが定義されていないということは理解できるものの、歴史ある大企業においても、安定した従業員の基盤があるため、単に仕事のやり方を学ぶというだけのことが多くなっています。このように知識が一部の人のみで共有されていることが一般的で、従業員のオンボーディングや保険金請求処理のような幅広く部門間で行われるプロセスがどのように機能するかを理解することが困難になっています。各部門では自分たちが何をすべきかを知っていますが、言語化されていないプロセスにはクリアなエンドツーエンドの可視性がありません。

このような現実に加えて、長年複雑なプロセスを支えてきた従業員は、不都合な状況が発生したときも無意識のうちに次のステップを実行できてしまうかもしれません。システムを操作できるのは誰で、誰に聞けばトランザクションの処理を先に進めることができるか、全員が知っているのです。ただし、プロセスの自動化を検討する際には、何を、なぜ行うかを理解する必要があります。これにより自動化を支える適切なルールを導入できます。

自動化に対する考え方

現在、従業員同士が別々の場所で働くことが一般的になっています。多くの人がリモートワークをする中で、多数のコラボレーションツールが導入されただけでなく、プロセスが適切に文書化されていないことの隠れたリスクが明らかになりました。特定の業務を担当していた従業員が病気や子供の世話で勤務できなくなった時などに、潜在的なボトルネックが誰の目にも明らかになります。

今後、このような問題を回避するためには、RPAの導入を開始する最初のプロセスを特定する必要があり、その第一歩として自動化に対する考え方を導入する必要があります。各プロセスが、自動化が必要な理由を判断するのに役立ちます。たとえば、請求書を処理することの成果は、組織のキャッシュフローを管理でき、遅延損害金が回避されるというものです。この成果を得るためのアクションは過去数十年の間に全体のプロセスの部分を構成するスタッフ、システム、契約、部門が新しくなるにつれて、何度も変更されているかもしれません。プロセスの「現状」を見直すことは、人間が管理している矛盾やギャップを洗い出すために欠かせません。

ただし、自動化の考え方を導入するということは、単なる現状把握にとどまりません。むしろ、プロセスの成果という観点から検討を続けていくことが望ましいと言えます。ジャーニー全体で成果を重視することで、特定の集団の作業負荷の軽減ということにフォーカスしてしまう危険性を減らすことができます。作業の一部が自動化されることで、プロセスに関係する一部の人々の作業が変わっていく可能性があります。また、これらの人々の新しい仕事には、差異の分析や大量トランザクションの処理など、難しい問題が含まれるかもしれません。この仕事を「誰が」行うべきかを検討する代わりに、「どのように」行うか検討することをおすすめします。

優れた自動化プロセスのカギ

RPAのジャーニーで最初に自動化するプロセスを選択するには、プロセスのどのステップやコンポーネントが自動化の恩恵を受けるかという知識が必要です。これらのプロセスの多くには、3つの共通点があります。それは、「大量トランザクション」、「反復アクション」、そして「構造化データへのアクセス」です。それぞれについて、さらに詳しく見ていきましょう。

大量のトランザクション

直感的には、自動化の効果を最大限に引き出せるのは大量のトランザクション処理を行うプロセスと思われるかもしれません。ただし、大量のトランザクションがあることが、必ずしも自動化に適しているとは限りません。もし、ジャーニーが山登りから始まるとしたら、険しい道のりの途中であきらめてしまったり、山頂を見上げて圧倒されて「やめておこう」となったりするかもしれません。

同様に、最も複雑なシステム間のインタラクションを伴うトランザクションを自動化することは、最終的な目標にできるとはいえ、最初に行うことは適切とは言えないでしょう。このような場合には、プロセスを複数の部分に分解して、簡単な部分から自動化することができます。

たとえば、会計プロセス全体を自動化するのではなく、まずは銀行口座との同期から始めることができます。次に、販売注文の請求プロセスの管理や会計報告に移ります。各部分を管理可能なタスクに切り分けることで、最終的に大量トランザクション処理の自動化につなげていくことができます。

反復アクション

オートメーションというと、自動車工場の組立ラインで車両にタイヤを取り付ける場合など、特定の対象物に流れ作業でアクションを実行していく様子を思い描くかもしれません。このような反復アクションはロボットを設計して自動化できます。複雑なアクションもあれば、非常にシンプルなアクションもあります。重要なのは、反復性がある大量の作業ということです。月に一度または年に一度しか行われないプロセスを自動化しても、正確に処理を実行する点では役立っても、必ずしも時間の投資に見合うリターンが得られないかもしれません。

自動化のジャーニーで取り組む最初のプロセスを選ぶ際には、自動化しやすい、複雑でないアクションが含まれ、反復性がある成熟したプロセスを選択するようにします。

たとえば、新しいマーケティングプランでデジタル広告を購入するタスクは一見簡単そうに思えても、過去のプロセスや成果がないなら、安定して稼働して自動化できるようになるまで多くの変更が必要になります。また、多くのシステムが関係するプロセスは、最初に取り組むには複雑すぎるかもしれません。このようなプロセスをメンテナンスする場合、流動的な部分に多くの注意を払う必要があるからです。複雑なプロセスの自動化は、オペレーションやプロセスが成熟し、チームが経験を積んだ段階で、もう一度検討できます。

構造化データ

自動化プロセスの構築では、自動化の実行を統御するルールも、コンピュータで簡単に読み取ることができるデータとして管理する必要があります。新しいベンダーから送付された請求書の明細は、人間にとっては簡単に読んで理解できますが、コンピュータで解読するには複数のステップが必要になります。

まず、紙の請求書をデジタル化して画像にし、OCR(光学文字認識)プログラムで解析して、画像上の数字と文字をコンピュータが読み取れる電子データに変換する必要があります。次に、IDP(インテリジェントドキュメントプロセッシング)プログラムでそのデータを解析して、支払条件や郵送先住所など、各項目の意味を識別する必要があります。その後、オートメーションでデータを支払システムに入力し、発注書の明細と突き合わせて検証します。

この場合、重要なデータを取得するまでに多数のステップが関係しています。このような自動化は多くの企業で日常的に行われていますが、RPAを最初に導入するプロセスとしては適切ではない可能性があります。最初に導入するプロセスとしては、RPAと簡単に情報をやり取りできるシステムを使い、プロセスの実行をルール化して管理できるようなプロセスが良いかもしれません。データはすでにコンピュータで読み取れる形式になっているため、RPAシステムでオートメーションをすばやく導入できます。

今後の展開

自動化するのに適切なプロセスを見つけるために必要なことを理解した今こそ、行動を始める絶好の機会です。

計画や準備も大切ですが、最初の一歩、そして次の一歩と踏み出していくことで、目標の達成に近づくことができます。従業員に会社とプロセスに関する深い知識があれば、効率化を目指すソリューションの開発に役立つ貴重な情報を提供してくれます。

自動化ジャーニーで役立つツールの1つはBlue Prismのプロセスアセスメントツールです。このツールは、プロセス自動化の準備状況と潜在的なビジネス価値を評価し、自動化機会の一貫したパイプラインを作成するのに役立ちます。 

どんなジャーニーでも、山あり谷ありの道のりになるかもしれません。谷は次の山につながっていることを信じ、一歩一歩進んでいきましょう。

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RPA入門シリーズ

このブログ記事は5部からなるシリーズの第2部です。以下の残りの投稿もご覧ください。後の2部もお楽しみに!

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