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ブログ | 2021年11月22日

タッチレス決済への移行を管理する

タッチレス決済への移行を管理する
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銀行口座を持たない人がキャッシュレス社会の対象となるかどうか、長年議論されてきました。パンデミックの発生に伴い、消費者は依然として店舗で買い物をする必要がある一方で、できるだけ早く、効率的に買い物を済ませたいと考える特殊な状況が生じました。それには、できるだけ簡単に支払いを済ませることも含まれます。

このようなニーズより、タッチレス決済の導入が加速しています。現金ではなく、カードやモバイルデバイスを使用して、機械との物理的な接触なく、商品代金を支払うことができます。これまで少額の買い物は現金で支払っていた人も、非接触型のカードやスマートデバイスのデジタルウォレットでの支払いに慣れてきたようです。

消費者が一度タッチレス決済の利便性と安全性を体験すれば、再び現金を使うことにはならないはずです。そのため、リテーラーにとっては顧客が好む決済方法を導入することが重要です。そして、それは店舗、オンライン、モバイルアプリなど、あらゆるチャネルで実現する必要があります。

変革の原動力

行政の求めるソーシャルディスタンスと感染防止対策により、リテーラーは日常業務に衛生のプロセスを含めるようになりました。ただし、物理的な空間や清潔さに加えて、顧客は今ではタッチレスショッピング体験のオプションを期待しています。

このような期待があるため、リテーラーには、衛生的な環境の中で、利便性の高い、非接触型の応対を通じて商品の調査、購入、消費のための複数の手段を提供することが求められています。また、非接触型決済のオプションも必要です。さらに、顧客はリテーラーが時間を取ってニーズを理解してくれたと感じたときに初めて完全に満足できるため、リテーラーは主要な顧客プロセスすべてで十分なパーソナライズを行いつつ、タッチレス機能を提供する必要があります。

タッチレス対応には、検索、取引、獲得、消費などの一般的な顧客プロセスのすべての接点が含まれます。また、安全で衛生的な宅配、店内やドライブスルー、バーチャル試着サービスも含まれます。

最近のトレンドとして、Amazonなどのブランドでは買い物客が店を出る際に口座に請求される無人決済方式の店舗をオープンしており、店内の滞留時間はさらに短縮され、タッチレス決済が新たな領域へと進んでいます。

消費者にとってのメリットに加え、リテーラーにもタッチレス決済に明らかなメリットがあります。現金やICチップ付きクレジットカード、暗証番号での処理を行う場合よりも、すばやく決済してレジ待ちをなくせるだけでなく、顧客の消費傾向に関するデータを取得できるため、貴重な洞察を得ることができ、パーソナライズされたサービスやロイヤリティプログラムを提供できるようになります。

現実世界で成果を実現

パンデミックを機にパーソナライズされたタッチレス対応を拡大した米国のリテーラー、Ulta Beautyの事例について考えてみましょう。このコスメ専門店は、美容室を併設しているだけでなく、一般および高級化粧品、フレグランス、スキンケア、ヘアケア製品を販売しています。1,250の店舗とulta.comで25,000種類以上の商品を提供しています。

ロックダウンの後、Ulta Beautyではオンライン購入、店舗ピックアップ(BOPIS)とオンライン購入、ドライブスルー(BOPAC)サービスを拡張し、新しい通知プロセスによりシームレスなデジタルエクスペリエンスを実現しました。また、新たにバーチャル試着機能を追加しています。GLAMlabアプリでは、ヘアカラーやアイブロウ、つけまつげを試すことができます。また、Ulta Beautyアプリでは、拡張現実(AR)を利用して肌を分析する新ツールを提供し、ニーズを評価してパーソナライズされた提案を行っています。

Ulta Beautyでは、AIとロイヤルティデータの洞察の活用を集中的に進め、新商品のおすすめ、カテゴリーの好みに基づく推奨、再び購入する商品のリマインダー、または厳選商品など、会員にユニークな提案を行う機能を拡張しています。

そして、会員のエンゲージメントを高めるためのアプリ限定オファー、その他の限定キャンペーンを実施しました。また、美容室や眉毛サロンなどのサービスを簡単に予約したり、変更したりできる新しいサービス予約ツールも導入しています。

Ulta Beautyでは、ウェブサイトで顧客の基本的な問い合わせに対応する利便性とスピードを改善した、カスタマーサービスチャットボットの提供を開始しています。また、新しいゲストサービス顧客エンゲージメントプラットフォームにより、コールセンターでは各種コンタクトチャネルや自社プラットフォームで顧客サービスのニーズに対応できるようになりました。

多次元でタッチレス決済を実現する新機能への投資は、大きな利益をもたらしてきました。2020年にはeコマースで200%という過去最高の成長を達成し、その5分の1はBOPISとBOPACのサービスによるものです。GLAMlab内で商品閲覧回数は、2020年第2四半期に第1四半期比150%超に急増しました。

オムニチャネルショッパーの増加率はロイヤルティプログラム会員で21%となり、前年同期比2倍を達成しています。オンライン会員は全会員の7.5%を占め、前年の2.5倍の伸びを見せています。そして、ついに1,000店を超える店舗が新しいサービス予約ツールを積極的に活用するようになりました。

タッチレス決済に向けた最初の一歩を踏み出す

小売エクスペリエンスでタッチレス決済を導入する場合、BOPISのような複雑なクロスチャネルプロセスを選び、タッチレス体験を保証する主要な顧客接点をすべて特定することから始めるのが最善です。

次のステージでは、インテリジェントオートメーションツールを活用してプロセスを再設計するか、調整し、すべてのチャネルで連携してシームレスな顧客体験を提供できるようにします。もうひとつのヒントとして、ガートナーのハイプサイクルを活用して、タッチレスな顧客対応を実現するための各種テクノロジーへの投資の優先順位を設定することが挙げられます。

タッチレス決済を始めたら、元に戻ることはできません。安全な環境で、物理的に商品に触れることなく探し、取引し、購入し、消費することに慣れた消費者は、以前のやり方に戻りたいとは思わないでしょう。すべてのチャネルでパーソナライズされ、統合された体験によって目的が達成できる場合は特にそうでしょう。

この先、現金が完全になくなるかどうかについては、今も世界中で議論されています。ただし、デジタル決済の安全性、スピード、利便性(特に非接触型の場合)は、消費者とリテーラーの関係に今後も影響を及ぼし続けることは間違いないでしょう。

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