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ブログ | 2024年01月15日

資産管理の自動化 - 主要なテクノロジートレンド

資産管理の主要なテクノロジートレンド
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資産管理業界における自動化とAIの未来

2023年の資産管理業界に影響を与えた課題の多くは、2024年も継続し、さらに激化すると予想されています。たとえば、人口動態や考え方がシフトし、大量離職の影響が尾を引く中、顧客と社員の期待が変化しています。

それと同時に、資産管理会社は、プライベート市場の民主化を促進し、環境・社会・ガバナンス(ESG)の報告のフレームワークを発展させる新たな規制にも対応しています。また、生成AIが社会全体に広く導入されていることも忘れてはなりません。明らかに時代が変わろうとしている今、どのように未来への一歩を踏み出すべきでしょうか。

ここでは、時代を先取りする資産管理自動化テクノロジー の7つのトレンドを探ってみましょう。

  1. 生成AI
  2. 顧客需要の進化
  3. 業界全体の再生
  4. 整合性確保の自動化
  5. 不確実性の影響の回避
  6. サステナブル投資
  7. プライベート市場の民主化

1 — 生成AIと資産管理

資産管理におけるAIと自動化の未来はどうなるでしょうか。生成AIのユースケースの検討はすでに始まっており、資産管理における業務効率の改善に早期の成果をもたらしています。しかし、生成AIは急速に普及しているにもかかわらず、その精度とガバナンス構造が不十分なため、特に資産管理のような規制の厳しい環境では、純粋にAIに頼ることができる世界にはまだほど遠い状況です。そのため、生成AIと人間が調和して連携することが重要となります。

生成AIの新しい活用方法や使用目的を模索し続ける中で、その可能性を最大限に引き出して、すべての利害関係者に価値をもたらし、社会全体にプラスの影響を与え続けるためには、より厳格な管理とガバナンス構造がさらに重要になります。2024年には、ユーザーエンゲージメントのパーソナライズと顧客セルフサービス体験の向上によって、大きな価値が生み出されると予想されています。

資産管理会社の19%は、生成AIが組織に最も大きな恩恵をもたらすことができる分野として、投資業務と財務アドバイスを挙げています。21%は、アルファ生成活動を促進するためのデータの取り込みが、生成AIの恩恵を最も大きく受けることのできる分野であると回答しています。

EY

, 変革の必須事項:資産管理における生成AI(英語)

重要なヒント:

  • チーム間のコラボレーションの基盤を築き、ユースケース、重要業績評価指標(KPI)、投資利益率(ROI)を定義して優先順位を付ける。
  • データ標準を更新し、既存のデータ資産をアップグレードして、データ入力への持続可能なアクセスを確保する。
  • 法的リスク、風評リスク、および財務リスクをより適切に管理できるよう、ガバナンス手順を更新する。

現段階では、生成AIが成熟するまでにはまだ長い道のりがあります。資産管理会社がさまざまな機能への生成AIの応用を試し続けるにつれ、2024年中に多くの新たな導入機会が生じると予想されています。

2 — 顧客需要の進化

2024年に入り、資産管理会社は進化する顧客ニーズに直面しています。たとえば、手数料の引き下げ、ポートフォリオの多様化、ミレニアル世代とZ世代が推進するサステナブル投資への対応を求めるプレッシャーに加え、自分たちの投資に関する分析情報の透明性、可用性、即時性を高めることへのプレッシャーも高まっています。

このように需要が進化し続ける中、資産管理会社は2024年に、業務合理化のためにインフラを再評価することになるでしょう。これには、コミュニケーションをパーソナライズすることや、多様な投資機会を提供できるようにすることの検討が含まれます。

今後30年間で、富の80%が、若い世代の手に渡ると予想されています。

First Wealth

, あなたとあなたの家族が「富の大移動」に備えるには(英語)

ミレニアル世代は、プロバイダーを切り替えたり、資産管理会社間で資産を移動したり、新しい資産管理会社と契約したりする傾向(73%)があり、団塊の世代の傾向(29%)を2倍以上上回っています。

EY

, 今日のミレニアル世代の投資家が明日のビジネスの成長を後押しする仕組み(英語)

重要なヒント:

  • 資産管理会社は、必要なコミュニケーションチャネルを介して、適切なタイミングと適切な理由で情報を交換できるよう、テクノロジーを活用する必要がある。
  • パーソナライズされたサービス、アドバイス、証券を提供できるよう、顧客の投資動機と投資行動を把握する。
  • 生成AIと機械学習(ML)の機会を活用して、有意義な分析情報を収集する。
ロブ・ペイズリー(Rob Paisley)

「このリスクを軽減するには、世代間の継続的な計画が不可欠です。手遅れになる前に若い世代を引き付けて、家族の財産をどのように管理、移転すべきかを教育する必要があります。」

ロブ・ペイズリー(Rob Paisley)

銀行・金融サービス・保険担当ディレクター, LinkedIn

3 — 業界全体の再生

世界的なパンデミック発生から3年経った2024年、スキルギャップは永続的な影響として拡大し続けると予想されています。燃え尽き症候群、仕事量の多さ、貧弱な文化、柔軟性の欠如に対する社員の懸念は、金融業界ではすでにめずらしくありませんが、資産管理業界でも見られるようになると予想されています。

大量離職により、すでに業界から人材が急激に流出しているだけでなく、おそらく最も価値のある残りの人材も定年を迎えつつあります。こうした中、ミレニアル世代とZ世代のうち、金融サービス業界でのキャリアを検討している人の割合は、わずか10%にとどまっています。

2024年には、会社が人材を保護するための文化的なシフトが必要です。大量のリサーチが行われるフロントオフィス内の分野では特に、手作業による退屈なリサーチや調査など、テクノロジーでできる仕事を若手社員が任されるのが一般的でした。

重要なヒント:

  • 社員が自分のスキルを活かし、会社のために価値を生み出す業務に集中できるよう、豊かな職場環境を整備する。
  • 手作業による反復的なタスクの特定と実行に自動化を活用する。
  • 仕事に見合った適切な報酬をもたらすインフラストラクチャを構築する。

社員の69%がやりがいのある仕事を望んでおり、71%は給与の増加が転職の主要な動機であると回答しています。

PWC

, 世界の人材の期待と不安に関するアンケート(英語)

エミリー・タレット(Emily Tullet)

「インテリジェントな自動化により、資産管理会社は最も貴重な資産である社員を管理できるようになります。優秀な人材を失うリスクが高まり続ける中、全社規模で社員の時間を解放する最適なユースケースを自動化によって特定できます。社員は独自のスキルセットを最大限に活かし、付加価値による個人的報酬や金銭的報酬を得ることができます。」

エミリー・タレット(Emily Tullet)

SS&C Blue Prism、銀行・金融サービス・保険担当シニアインダストリーマーケティングマネージャー, LinkedIn

4 — 整合性確保の自動化

2024年の規制環境は、財務の強靭性、市場の有効性、サステナビリティとフィンテックにおける新たなリスクへの対応に焦点を当てており、資産管理会社にリソース面の課題を提起しています。

資産管理会社は2024年、新たな要件や進化する要件を満たすために内部メカニズムを調整するというさらなるプレッシャーにさらされ、大規模な変革と投資を行うことを求められます。拡張性に優れたコンプライアンスソリューションをタイムリーに提供しながら、100%の精度を常に達成するための手段として、インテリジェントオートメーション(IA)とデジタルトランスフォーメーションに目を向ける企業が増えると考えられます。

重要なヒント:

  • プロセスの簡素化、標準化、監査適合性を実現するIAに投資する。
  • 既存または新規の規制に的確に対応できるように自動化を導入する。

コンプライアンスのためにテクノロジーを使用することで、全体で最大75%の時間を節約できると推定されています。

EY

, 資産管理において自動化がコンプライアンスを変革する仕組み(英語)

ドリュー・ソンデン(Drew Sonden)

「コンプライアンス活動は、人間が本質的に苦手とするものです。大量のデータをふるいにかけ、入力を再確認し、複雑なレポートを作成する作業はフラストレーションを招き、避けられないミスにつながります。デジタルワークフォースがこうした課題に悩まされることはありません。そのユニークなスキルセットは、人間にとっては困難なこれらの作業に非常に適しています。」

ドリュー・ソンデン(Drew Sonden)

Blue Prism、シニアソリューションコンサルタント, LinkedIn

5 — 不確実性の影響の回避

インフレ、金利、生活費危機、社会不安、サプライチェーンの混乱などの不確実性は、2024年も世界的に広がり続けるでしょう。その一方で、業界がこうした不確実性の影響を、これまでよりもはるかに適切に回避できるようになるとも予測されています。

資産管理では、特定の資産クラス、金融商品、流動性資産、M&A活動などの需要が増減するなど、取引量の変動というかたちで影響が見られる可能性があります。資産管理会社は、デジタルオペレーティングモデルを採用することで、レジリエンス強化のためのより多くの施策を行うと予想されます。

重要なヒント:

  • 業務プロセスオーケストレーションを採用して、極限状況下で障害のリスクが最も高いプロセスを特定する。
  • プロセス内のタスクのうち、反復可能で、特定の同じ指示に毎回従わないとリスクを生じさせるタスクを一つずつ特定する。
  • IAを活用してこれらのタスクを実行し、パフォーマンスを向上させ、不確実性という不可避の要因が取引量の変動に影響を及ぼすのを防ぐ。

調査回答者の56%は、インフレが事業に悪影響を与えるであろうと回答し、58%は地政学的環境について懸念を表明しています。

Deloitte

, 2024年の投資運用の展望(英語)

Jeremy

「資産管理会社はアクションにつながる洞察を提供することで、パフォーマンスをリアルタイムで監視し、プロセス、人、デジタルワーカー、データ、システム全体を360度可視化しています。これによりお客様は、問題やリスク、ボトルネックを検出し、結果を予測して、リアルタイムのガイダンスを提供し、警告を発して是正措置をトリガーするために必要な情報を取得し、継続的な改善を重ねることができます。」

ジェレミー・マッキンレー(Jeremy Mackinlay)

SS&C Blue Prism、銀行・金融サービス・保険担当シニアインダストリーマーケティングマネージャー, LinkedIn

6 — サステナブル投資

サステナブル投資は、2024年も重要性の高い分野であり続けます。しかし、機関投資家からの投資意欲が予想を下回っていることに加えて、規制が引き続き明確化されていないため、ESGが効果的な長期投資戦略であるのかという疑問が生じています。主な問題として、一貫性のあるデータにアクセスできないため、業界全体の意見がガイドラインにまとめられていないことが挙げられています。

投資家の間で意見や行動は異なっても、投資ポートフォリオのESG要素を透明化することに対するニーズは今後も続くと考えられます。このことは、社会的責任投資を優先するミレニアル世代とZ世代が大きな力を持つようになっている資産管理市場に特に当てはまります。

重要なヒント:

  • ESGデータの定義、測定、取得に関連した機能の構築を続けて、保留中のガイドラインに先んじてESGの透明化に取り組む。
  • 新しい規制ガイダンスに迅速かつ簡単に適応できるよう、AIおよびMLテクノロジーを活用する。

60%以上の人がサステナビリティと倫理的基準に基づいて購買行動を決めており、この数は毎年10%増加しています。

PWC

, 2023年のESGのトレンド(英語)

ドリュー・ソンデン(Drew Sonden)

「CSRDなどの新しい法律によって、より構造化された信頼性の高いデータソースが、いずれは利用可能になるでしょう。ただし、これらのデータソースから提供される情報を取得してまとめ、それを理解するプロセスは、デジタルワークフォースにこそ適しています。自動化を活用するだけで、作業を効率化し、人手によるデータ入力の必要性を減らし、電力消費量を削減することができます。」

ドリュー・ソンデン(Drew Sonden)

Blue Prism、シニアソリューションコンサルタント, LinkedIn

7 — プライベート市場の民主化

2024年1月に欧州で施行される新しいELTIF 2.0規制により、個人投資家の参入障壁は下がりつつあります。また、世界の規制当局は、デジタル資産などのオルタナティブ投資へのアクセス拡大を求める個人投資家の需要が高まっていることを認識しています。

資産管理会社は、2024年に投資家数が急増することを見越して、投資家のオンボーディングプロセスの改善に重点を置いた取り組みを進めています。運用負担のかかる取引量増加の課題が待ち受けているため、顧客体験のオンボーディング部分を最適化することは極めて重要です。オンボーディングは、新規参入する個人投資家に優れた第一印象を与える絶句の機会です。

重要なヒント:

  • IAを活用して投資家のオンボーディングを合理化する。
  • 継続的サービス向上のために強化すべき他の運用プロセスを特定する。
  • 事前定義された流動性供給枠を提供する「エバーグリーン」(または準流動性ファンド)の供給量を増やす。

投資家の70%は、今後12か月以内にオルタナティブ投資への配分を増やすことを計画しています。

SS&C Intralinks

, Intralinks 2023年LPアンケート

ドリュー・ソンデン(Drew Sonden)

「投資業界は長年にわたり、従来の証券、プライベートエクイティ、オルタナティブ等を専門とする資産管理会社によって、細かく階層化されてきました。今日、その線引きは、より幅広い資産への容易なアクセスを求める顧客によって取り払われつつあります。こうした中、資産管理会社は、柔軟性に対するニーズをサポートできるハイブリッドポートフォリオの作成を余儀なくされています。」

ドリュー・ソンデン(Drew Sonden)

Blue Prism、シニアソリューションコンサルタント, LinkedIn

資産管理の未来

2024年の課題に直面する中、資産管理会社は絶えずその真価を問われています。これらの課題を克服し、先手を打つための鍵は、適切なテクノロジーを活用することにあります。

SS&C Blue Prismと連携することで、これらの主要分野に焦点を絞り、将来を見据えた一歩を今すぐ踏み出すことができます。

資産管理のトレンド2024年版