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ブログ | 2024年01月19日

電子健康記録(EHR)の自動化

電子健康記録(EHR)の自動化
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患者情報をデジタル化して安全に共有

医療業界は、大量のデータを処理するにあたり、一貫性がなくエラーが発生しやすい紙ベースのプロセスに頼らなければならないというボトルネックに直面しています。これらの阻害要因を解消し、より多くの時間を患者ケアに取り戻せるようにするため、医療機関は医療の自動化を進めています。

インテリジェントオートメーション(IA)は、医療機関の手動プロセスを合理化し、患者データの安全性と正確性を確保します。IAのデジタルワーカーは、人為的ミスを排除し、適切な医療機関が必要な患者データに簡単にアクセスできるようにすることで、診断までの時間を短縮します。その際に、医療機関がコンプライアンスを維持し、患者の安全を優先させる体制が損なわれることはありません。

医療記録の処理を自動化することで、医療機関はIAツールを使用して医療文書を安全に作成、管理、配布できます。これには、電子健康記録(EHR)、臨床意思決定支援システム、請求書類、コーディング文書が含まれます。

医療記録の自動化に進む前に、よくある質問をチェックしておきましょう。

EMRとEHRの違いは何か。

電子医療記録(EMR)は、個々の医療機関内で患者情報を共有するために使用されるのに対し、電子健康記録(EHR)は、その垣根を超えて複数の医療機関や保険薬局で情報共有のために使用されます。

EHR(電子健康記録)処理とは何か。

EHRは、患者の病歴と健康情報を含むデジタル記録であり、臨床医、病院、ケア施設の間で共有できます。

EHR処理を自動化することで、すべての患者データを、部門間での使用が可能な構造化された標準形式に変換できます。また、データの欠落やエラーにフラグを立てるようIAデジタルワーカーをプログラムして、患者情報の正確性、一貫性、最新性を確保することもできます。これにより、臨床スタッフが多くの手作業から解放されて、臨床業務が強化され、患者とそのニーズに集中して取り組める時間が増えます。

EMR(電子医療記録)処理とは何か。

EMRは、個々の医療機関のシステム内にとどまる患者カルテのデジタル版です。複数の医療専門家の間でEMRを共有する際に障壁が多いのは、そのためです。こうした理由から、EMRは主に小規模な医療機関で使用されています。EMRには、患者の病歴、診断、投薬、治療計画などのデータが含まれており、これらの記録の一貫性と正確性を維持することが重要です。

EHRプロセスにおける自動化のユースケース

医療の自動化は、患者数の増加、人員不足、待ち時間の長期化などの課題に直面している医療業界が将来に備えるための重要なステップです。患者記録を自動化することで、複数の異なるシステムに存在する情報を照合、デジタル化して、単一の集中型システムに取り込むことができます。これにより、次のことが保証されます。

  • 患者情報の最新性、正確性、一貫性、安全性。
  • 臨床医が患者情報にリアルタイムでアクセスし、常に最新情報を把握していること。
  • 反復的で時間のかかるデータ入力による管理スタッフの負担が軽減され、仕事に対する満足度が高まる。
  • 事務処理の多いプロセスによるバックログが少なくなる。
  • 患者情報の処理が大幅に合理化されて、キャパシティが解放されるため、スタッフ不足によって引き起こされる問題が軽減する。
  • コスト削減が進み、リソースの配分が改善される。
  • プロセスの迅速化によって患者ケアの質が向上し、患者が医療機関にサービスにアクセスしやすくなる。

医療記録の更新を自動化するには

インテリジェントオートメーションについて詳しく見ていきましょう。IAは、ロボティックプロセスオートメーション(RPA)、人工知能(AI)、業務プロセス管理(BPM)をその他の一連のデジタル技術とともに使用して、医療システムを接続し、人間の介入を必要とせずに患者情報を自動的に更新します。IAツールの例とその仕組みは次のとおりです。

  • RPAは、データ入力や予定のスケジューリングなどの反復的な管理タスクを自動化して、スタッフがより価値の高い作業に時間を費やせるようにします。
  • インテリジェント文書処理(IDP)は、自然言語処理(NLP)、光学文字認識(OCR)、AIなどを使用して、健康記録や保険金請求書などのデジタル化されたドキュメントを一元化されたシステムに統合します。IDPは、患者のオンボーディング、医療費請求、医療コーディング、患者記録管理に使用できます。
  • NLPは、患者の臨床所見記載書類や診査医報告書からの非構造化医療テキストを理解、解釈し、それを構造化データに変換して、医療機関が分析したり、システム更新のために使用したりできるようにします。
  • AIはデータパターンを検出し、患者向け医療サービスをより効率的に提供できるようにします。患者記録のエラーをスタッフに警告し、潜在的な健康リスクを予測して、患者がフォローアップのケアを受けられるようにすることもできます。

EHRのどのプロセスを自動化できるか。

EHRシステムには、患者記録の正確性とアクセス性を自動プロセスで変革できる機会がいくつかあります。

IAは次の方法でそれを実現します。

  • EHR、検査結果、薬局の記録などから分析されたデータに基づいてチャートを作成する。
  • 患者データの入力、患者記録と病歴の更新、ファイルの転送、予約とフォローアップのスケジュール設定を行う。
  • IDPで医療記録をデジタル化して、すべての患者データを一元化されたシステムで管理し、標準化された形式で利用できるようにする。
  • 患者記録の外れ値、エラー、情報の欠落をスタッフに通知し、フォローアップしてもらう。
  • 患者記録に含まれる大規模なデータセットを迅速かつ正確に分析し、パターンや異常を特定することで、診断精度を向上させる。

お客様事例

Marie Curieは、スタッフによる患者データの入力を支援する手段としてIAに目を向けました。現在は、サービスリファラルを受け取ると、スタッフが患者データとリファラルIDをSS&C Blue Prism | Interact®フォームに入力します。SS&C Blue Prismのデジタルワーカーは、Interactフォームから情報を取得し、患者記録システムにログインして、関連するすべての詳細を入力します。作業が完了すると、デジタルワーカーはリファラルを看護チームに送信し、迅速な対応を促します。新しい患者情報パックが必要な場合は、スタッフがInteractフォームにメモを記入します。その後、情報はサードパーティに転送され、サードパーティがパッケージを組み立てて郵送します。

自動化でできること

患者データを注意して扱い、そのセキュリティを守ることは、医療機関の最優先事項です。プロセスが反復的で事務処理が多いと、エラーや手戻り、重複した作業、重要な情報の見落としが起こり、この最優先事項を達成できない可能性があります。

IAを使用すると、医療記録をデジタル化して、適切な人だけがアクセスできる集中型システムにまとめることで、データを常に最新の状態に保ち、機密情報を確実に保護できます。

SS&C Blue Prismでどのように患者の医療記録の自動化を開始できるかをご覧ください。

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